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【リレーコラム】「地下アイドルになりたい」理由とは

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「地下アイドルになりたいという女性は後を絶たない」 以前、地下アイドルの実態を追いかけたドキュメンタリー映画「くぴぽ SOS!」のプロデューサーを務めた映画評論家、田辺ユウキさん(39)にインタビューをしていた際に、こんな話を聞いて疑問を抱いた。 何年も取材を重ねていると、成功するかしないかがなんとなく見えてくるようになっている。そのなかで、地下アイドルの世界に入れば成功する可能性はほとんどゼロに近い。それなのに、アイドルに憧れる女性が次々と現れるのが不思議でならなかった。これは“永遠の課題”になるかもなあ…と思っていた。 約1年後に大阪のアイドルグループに所属している1年生の女子高生の母親と話す機会があった。「娘とよく話すけど、地下アイドルが良いんだよねえ」としみじみとした口調で話しだした。 この女子高生は幼少時からダンスを習っており、メジャーグループからも誘いがあったそうだ。だが、もっと思い切ってダンスができる環境を求めて、オーディションを受けた。その後、「ステージでライブをしていると、すぐに客席の反応が返ってくるのが楽しいし、うれしくなる」などと親子で語り合い、将来について目を輝かせながら「舞台女優もやりたい」と漏らしていたという。 「確かにメジャーグループに入れば、メディアの取材も殺到して時間をかけずに知名度も獲得できる。たとえイバラの道でも、娘が自ら選んだのだから親としてはできる限り応援するしかない」と母親は話す。今後のことについても質問したが、「将来はどうなるかわからないが、今のこの一瞬を大切にしている。できるところまでと考えていると思う」と話していた。 別のグループに所属している女子高生アイドルの父親は「もともと娘は人見知りだったが、ファンたちと自然にコミュニケーションが取れるようになった。ファンたちと楽しそうに話す姿を見て、このスキルは絶対に将来の役に立つと思った」と目を細めていた。 こういった話を聞いているうちに、地下アイドルの世界が夢も希望もないことはないと感じた。大切なのは、ステージに立つ人間の気持ち。「売れた人に理由を聞くと、『99%が運』と答える人がほとんどです。でも、その運をつかむためには、ステージに立ち続けるしかありません」。ある芸能事務所関係者がしてくれたこんな話を思い出した。(格清政典)

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